学長メッセージ
第35代立正大学長
立正大学校友会長
寺尾 英智
立正大学校友の皆様へ
立正大学は1872(明治5)年の「小教院」設立を起点として、2022年に開校150周年を迎えた歴史ある大学です。1580(天正8)年に日蓮宗の教育機関として開設された「飯高檀林」を源流に持ち、宗派の教義を研鑽する伝統的な僧侶養成機関としての役割を継承しながら、明治期には聖職者の養成という点で共通項もあるヨーロッパ発祥の学問体系を果敢に導入。近代的な学校制度の中で、幅広い教養教育と実学教育による人材教育を進め、9学部16学科・大学院7研究科を擁する総合大学へと発展してまいりました。
近年は、開校150周年記念事業を推進する原動力としての多くのご支援を賜りましたことを心より感謝いたします。とりわけ150周年記念事業募金に多大なるご協力を頂戴できたことで、品川キャンパスの新たなシンボルとなる150周年記念館(13号館)も竣工し、新たな学びの場として学生諸君の笑顔があふれています。この場をお借りして、あらためて深く御礼申し上げます。
これからも立正大学の歴史と伝統は受け継がれていきます。校友の皆様の熱い思いは、必ずや次の50年、100年へとつなげてまいります。立正大学には歴史があり、多様な知見の蓄積があるものの、直接実感できる場面が少ないとの声もありました。新たに150周年記念館に設けた「石橋湛山書斎(復元)」やロータスギャラリー特別展示室は、立正大学の魅力を可視化する取り組みのひとつであり、校友の心の拠りどころとして本学の価値を発信する場となっています。
更に、本学では品川・熊谷の2つのキャンパスを、ともに地域に開かれた拠点として発展させることに力を注いでいきます。地域連携事業も活発に進めており、学びの成果を社会に還元することでも、本学の価値を発信できると考えるからです。
立正大学の価値は、教員の多様な専門性と、学生の多様な個性とを融合させるべく知恵を出し合いながら、日々更新され高められていきます。身近な例を挙げれば、コロナ禍においても学びの機会を確保しようと、教職員と学生が協力した経験もそのひとつです。学園メッセージとして掲げる「『モラリスト×エキスパート』を育む。」のうち、モラリストに相応しい行動を肌で感じることができました。学生には、こうした経験を重ねながら、学内にとどまることなく、社会に貢献する人材として成長していってくれることを願っています。それを見守り、支える校友の皆様の存在は、立正大学の揺るぎない基盤であり、皆様と一致団結しながら、学生の成長と大学としての成長に向けて努力していく所存です。